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2本の鉛筆のお話 ~物を丁寧に扱う事の大切さと人間関係の学び~

2023/12/18

 2本の鉛筆のお話 ~物を丁寧に扱う事の大切さと人間関係の学び~
 このお話との出逢いは、小学校に入って直ぐの事だったのではないかと思います。これからコラムに色々な事を書いて行こうと思っていますが、この本との出逢いは私に多くの学びを遺してくれたので、人間関係に悩まれている小・中学生の方の参考になればと思い、早めに書かせて頂く事にしました。
 50年以上も前のお話になりますが、小学校のカリキュラムの中に“読書時間”と言うのがあって図書館でこの本を読んだのが初めです。残念ながら本当の題名も作者の方のお名前も記録していなかったし、記憶にも残っていません。でも、私は図書館に入る度この本を手にし、何度も読んだ記憶だけが残っています。最初の風景描写が余りにその当時の現実と近かった事もあったのではないかと思います。場面は、小学校の建つ道路の反対側に建つ文房具屋さんに置かれた2本の鉛筆でした。
 1本は心優しい鉛筆で『今日は誰が買いに来てくれるかしら?』と思いながら『もし買ってもらえたなら長く使ってもらえるように頑張りたい!』ともう1本の鉛筆に話しかけます。もう1本は少し意地悪な鉛筆で、『そう?私は削られたら直ぐに折れて困らせるんだ!』と返します。そこに2人の少女が鉛筆を買いに訪れます。1人は心優しい女の子。意地悪鉛筆を取りました。もう1人は少し乱暴な女の子。優しい鉛筆を手にとりました。2人は早速授業に使おうと鉛筆を削ります。ちょっと乱暴な子に買われた優しい鉛筆は、乱暴な削り方に耐え折れずにいました。優しい子に買われた意地悪な鉛筆は、削り出したら直ぐに折れてしまおうと思ったのに削り方が優しすぎて折れる事が出来ません。2人の少女は鉛筆を削り終え、授業を受けに教室に入ります。
 小さかった私は、このやり取りをイラストを見て文章を読みながら、この組み合わせが反対だったらどうなっていただろうと思いを巡らせました。意地悪な鉛筆は、乱暴な女の子が削る度折れ続けるだろうと思います。乱暴な子は、『きっと私は、ハズレの鉛筆に当たってしまった。』鉛筆にも隣の優しい削り方の女の子にも恨みを持ったかも知れません。
 組み合わせが良かったという事は、人間社会にも通じる事なのではないでしょうか?それぞれに大きな問題がある訳でも無いのにうまく行かない事がある一方で、『よく旨く行っているなあ。』と思う関係もあるのではないでしょうか?人生における組み合わせの大事さをこの1冊の本は私に教えてくれました。何度も読みたいと私を惹きつけ、いまも忘れないお話は、私が人生で苦しいと思う度蘇り、私に何かを教えてくれます。読書数が多い訳ではない私にとって、人生の示唆を与えてくれるこんな1冊に巡り会えた事は、幸せな事だと思います。
 これをお読みになった方で、お話の題名や作家をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて頂ければ幸いです。

 

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