元東宮侍従 浜尾 実氏の“殿下とともに” から 8
2025/03/27
~上皇様・上皇后様の殿下に関するご教育に触れられた章で印象的だった事~
~なんと、殿下の小学校の制服は、上皇様の制服のお下がりだったのです。~
~お小さい頃、ものを大切にする事を毎日の生活から学ばれて行かれました。~
皇室の方々は、いつも素敵なお召し物を着ていらっしゃいます。私はそれを拝見しながら『アッ!このお召し物以前にも拝見した事がある。』と思う事が度々あります。一つ一つ本当に素敵なお召し物ですが、それを大切になさって、場所や状況に応じてまたお召しになっていらっしゃるのだと思います。今年の天皇陛下の誕生日の一般参賀の時の雅子様のドレスも以前にお召しになった物だったのではないでしょうか。素敵なブルーで、胸元に素敵な同系の色の刺繍が施され、新年の晴れ上がった空に負けない素敵なお色でした。
浜尾氏の本の中に、上皇様・上皇后様の殿下のご教育を記載した部分があり、小さい頃殿下が着ていらっしゃる洋服に触れられた箇所があったので、上皇様・上皇后様のご教育のお話とその事を書いてみたいと思います。
上皇様は、ご自身がご両親・ご兄弟とはご一緒にお暮らしになる事はなく、寂しい幼少期を過ごされたとの事でした。その経験から、殿下には可能な限り自由な日々を過ごせる様ご配慮なさっていたとありました。でも、“自由”と“甘え”の区別は画然と付けられたご教育だったそうです。好き嫌いをなくす。挨拶がきちんとできる。自分のことは自分でやる。の三つの事は、特に気を配られたご教育をなさったそうです。“皇室教育”という特別なものではなく、親として当たり前の事を殿下にお教えし、一人の人間として恥ずかしくない様に育てる事が、上皇様・上皇后様のご教育を貫く理念とされていらっしゃいました。
例えば鉛筆にまつわるお話しは、ほんの些細の事ですが、1本1本の鉛筆を大事に使い質素倹約をお教えしながら、一方で短い鉛筆を使い続ける事の弊害(正しい鉛筆の持ち方がし辛くなる。)を同時に判断できる様にする心細やかなご教育でした。使い続けた鉛筆を一本一本上皇后様の元に持って行き、上皇后様のご判断を仰ぎ、新しい鉛筆に変えるというルールです。この繰り返しにより、質素倹約を学びながら正しい鉛筆の持ち方で文字を覚える事が出来ます。むやみやたらに新しいものを欲しがることも、鉛筆の持ち方におかしな癖がつく事もありません。その教えは、お妃像を尋ねられた時の殿下のお答えの中にしっかりと上皇様・上皇后様のご教育が生きていました。『自分と価値観が同じ方、贅沢を避ける意味で金銭感覚の同じ質素な方』とおっしゃっていらっしゃいました。殿下がお小さい頃使われた鉛筆達は、その役割を果たし『ご苦労様!』と言われて嬉しかったんじゃないでしょうか?
皇室の方々のファッションはとても素敵ですが、決して贅沢三昧ではないと私は思っています。例えば、上皇后様のティアードロップ型のイヤリング。本当にお好きで、大切にしていらっしゃるんだろうなぁという事を窺い知れる程、身につけていらっしゃるお姿をなん度も報道で拝見しました。勿論、外国訪問時には、その国の方々へのご配慮から別の物を身につけられる事もありますが、ティアードロップ型のイヤリングは本当に良くお付けになっていらっしゃる様に思います。お気に入りで、大切になさっていらっしゃるんだろうなぁと思います。物を大切にする事を身を持ってお子様である殿下にご教育され、殿下はまたそのご教育を受け継がれ、その同じ思いを共有出来るお妃を探されました。雅子様が身に付けられるお衣装もまた訪問される場所をご配慮されながら、色や形をお選びになり、ご訪問の目的にあった物をその都度お手持ちの物から選ばれていらっしゃると思います。殿下の受け継がれた質素倹約の思いを、今は雅子様と共有され、実践していらっしゃるのだと思います。
洋服の質素倹約のご教育は、殿下の学習院初等科に遡ります。入学式こそ新しい制服をお召しになったそうですが、それからしばらくの間の学校生活には上皇様の制服のお下がりでご通学されたそうです。少し色褪せた様に見える学生服だった様ですが、殿下はそれを誇らしげですらある様にお召しになっていらしたとの事でした。上皇様の学生服を27年間、戦中・戦後の混乱の中にあって、丁寧にきちんと保存しておられた事にもびっくりしました。上皇后様は、通学する我が子をご覧になって『130人もいる生徒の中で、お父様のお古を着ている子供はいないでしょうね。』と深い笑みをたたえておっしゃられたそうです。かつて父が袖を通した制服を、子供が着る。それは質素倹約の証であると共に父・子の硬い絆の証でもあるのだと思います。
洋服やアクサセリーなど身に付ける物に対する考え方に“このやり方が一番正しい。”というやり方はない様に思います。それぞれが自分はこうしたい・・・というやり方を実践すれば良いのだと思います。実際、丁寧に保存するのにも費用と手間が掛かります。季節の樟脳交換・保存している物の収納場所etc.etc.
大事な事は、購入した物を自分なりに大切に扱い、役立てて行く事だと思うのです。シーズン中になん度も袖を通し、『十分着させてもらったな。』と思えば、洋服に『ご苦労様!』と言って処分し、1年毎に買い替える事も良いし、数回しか着ない物はしっかりと保存し、購入した時の事を思い出しながら、季節が来たらまた袖を通す。ただ、物だからとぞんざいに扱うのではなく、慈しみを持って身にまとい、その“物”を輝かせてあげる事なんじゃないかと思うのです。
私は、30年以上前に買った洋服やアクセサリーを今でも身に付けます。一方で、部屋着で着るトレーナーやシャツは、残念だけれど丁寧に着て、保存をしっかりしても、どこかが破れて数年しか着られずに廃棄している物もあります。でも、それぞれがきちんと役割を果たしてくれて、お別れしています。捨てなければいけない時もすっきりとした思いで廃棄出来ます。
これからも、皇室で受け継がれている質素倹約の伝統を学び、皇室の方々の着こなしから沢山の事を学びたいと思っています。そして、これからも“物にも役割をまっとうして頂く”という思いで手持ちの物を大切にしていけたらと思っているバーバでした。
~なんと、殿下の小学校の制服は、上皇様の制服のお下がりだったのです。~
~お小さい頃、ものを大切にする事を毎日の生活から学ばれて行かれました。~
皇室の方々は、いつも素敵なお召し物を着ていらっしゃいます。私はそれを拝見しながら『アッ!このお召し物以前にも拝見した事がある。』と思う事が度々あります。一つ一つ本当に素敵なお召し物ですが、それを大切になさって、場所や状況に応じてまたお召しになっていらっしゃるのだと思います。今年の天皇陛下の誕生日の一般参賀の時の雅子様のドレスも以前にお召しになった物だったのではないでしょうか。素敵なブルーで、胸元に素敵な同系の色の刺繍が施され、新年の晴れ上がった空に負けない素敵なお色でした。
浜尾氏の本の中に、上皇様・上皇后様の殿下のご教育を記載した部分があり、小さい頃殿下が着ていらっしゃる洋服に触れられた箇所があったので、上皇様・上皇后様のご教育のお話とその事を書いてみたいと思います。
上皇様は、ご自身がご両親・ご兄弟とはご一緒にお暮らしになる事はなく、寂しい幼少期を過ごされたとの事でした。その経験から、殿下には可能な限り自由な日々を過ごせる様ご配慮なさっていたとありました。でも、“自由”と“甘え”の区別は画然と付けられたご教育だったそうです。好き嫌いをなくす。挨拶がきちんとできる。自分のことは自分でやる。の三つの事は、特に気を配られたご教育をなさったそうです。“皇室教育”という特別なものではなく、親として当たり前の事を殿下にお教えし、一人の人間として恥ずかしくない様に育てる事が、上皇様・上皇后様のご教育を貫く理念とされていらっしゃいました。
例えば鉛筆にまつわるお話しは、ほんの些細の事ですが、1本1本の鉛筆を大事に使い質素倹約をお教えしながら、一方で短い鉛筆を使い続ける事の弊害(正しい鉛筆の持ち方がし辛くなる。)を同時に判断できる様にする心細やかなご教育でした。使い続けた鉛筆を一本一本上皇后様の元に持って行き、上皇后様のご判断を仰ぎ、新しい鉛筆に変えるというルールです。この繰り返しにより、質素倹約を学びながら正しい鉛筆の持ち方で文字を覚える事が出来ます。むやみやたらに新しいものを欲しがることも、鉛筆の持ち方におかしな癖がつく事もありません。その教えは、お妃像を尋ねられた時の殿下のお答えの中にしっかりと上皇様・上皇后様のご教育が生きていました。『自分と価値観が同じ方、贅沢を避ける意味で金銭感覚の同じ質素な方』とおっしゃっていらっしゃいました。殿下がお小さい頃使われた鉛筆達は、その役割を果たし『ご苦労様!』と言われて嬉しかったんじゃないでしょうか?
皇室の方々のファッションはとても素敵ですが、決して贅沢三昧ではないと私は思っています。例えば、上皇后様のティアードロップ型のイヤリング。本当にお好きで、大切にしていらっしゃるんだろうなぁという事を窺い知れる程、身につけていらっしゃるお姿をなん度も報道で拝見しました。勿論、外国訪問時には、その国の方々へのご配慮から別の物を身につけられる事もありますが、ティアードロップ型のイヤリングは本当に良くお付けになっていらっしゃる様に思います。お気に入りで、大切になさっていらっしゃるんだろうなぁと思います。物を大切にする事を身を持ってお子様である殿下にご教育され、殿下はまたそのご教育を受け継がれ、その同じ思いを共有出来るお妃を探されました。雅子様が身に付けられるお衣装もまた訪問される場所をご配慮されながら、色や形をお選びになり、ご訪問の目的にあった物をその都度お手持ちの物から選ばれていらっしゃると思います。殿下の受け継がれた質素倹約の思いを、今は雅子様と共有され、実践していらっしゃるのだと思います。
洋服の質素倹約のご教育は、殿下の学習院初等科に遡ります。入学式こそ新しい制服をお召しになったそうですが、それからしばらくの間の学校生活には上皇様の制服のお下がりでご通学されたそうです。少し色褪せた様に見える学生服だった様ですが、殿下はそれを誇らしげですらある様にお召しになっていらしたとの事でした。上皇様の学生服を27年間、戦中・戦後の混乱の中にあって、丁寧にきちんと保存しておられた事にもびっくりしました。上皇后様は、通学する我が子をご覧になって『130人もいる生徒の中で、お父様のお古を着ている子供はいないでしょうね。』と深い笑みをたたえておっしゃられたそうです。かつて父が袖を通した制服を、子供が着る。それは質素倹約の証であると共に父・子の硬い絆の証でもあるのだと思います。
洋服やアクサセリーなど身に付ける物に対する考え方に“このやり方が一番正しい。”というやり方はない様に思います。それぞれが自分はこうしたい・・・というやり方を実践すれば良いのだと思います。実際、丁寧に保存するのにも費用と手間が掛かります。季節の樟脳交換・保存している物の収納場所etc.etc.
大事な事は、購入した物を自分なりに大切に扱い、役立てて行く事だと思うのです。シーズン中になん度も袖を通し、『十分着させてもらったな。』と思えば、洋服に『ご苦労様!』と言って処分し、1年毎に買い替える事も良いし、数回しか着ない物はしっかりと保存し、購入した時の事を思い出しながら、季節が来たらまた袖を通す。ただ、物だからとぞんざいに扱うのではなく、慈しみを持って身にまとい、その“物”を輝かせてあげる事なんじゃないかと思うのです。
私は、30年以上前に買った洋服やアクセサリーを今でも身に付けます。一方で、部屋着で着るトレーナーやシャツは、残念だけれど丁寧に着て、保存をしっかりしても、どこかが破れて数年しか着られずに廃棄している物もあります。でも、それぞれがきちんと役割を果たしてくれて、お別れしています。捨てなければいけない時もすっきりとした思いで廃棄出来ます。
これからも、皇室で受け継がれている質素倹約の伝統を学び、皇室の方々の着こなしから沢山の事を学びたいと思っています。そして、これからも“物にも役割をまっとうして頂く”という思いで手持ちの物を大切にしていけたらと思っているバーバでした。