Poohとの思い出 5
~Poohとの最初のアパート暮らしは、数ヶ月で幕を閉じました。~
やっとスタートを切ったPoohとのアパート暮らしは、残念ながら長くは続きませんでした。1階で日当たりも悪く、女子高校が隣り合わせの環境で、週末以外の日中は騒音が絶えませんでした。でも、私たちの都合が続かなかった理由ではありません。1階で1部屋しか無いアパートは3階建てで、何階に住んでいた方かは存じ上げないのですが、お一人は夜勤の仕事で朝帰り。お一人は朝出勤、夕方帰宅の方だったのですが、1階の出口を入る時にPoohが吠えてしまいます。夜勤に出勤前のもう少し寝たい時間に朝出勤される方が帰宅し、朝出勤の方がもう少し寝たい朝に夜勤の方が帰宅されます。Poohの吠えは、常にお二人の生活の支障になってしまったのです。ある日、姉が息を切らせてアパートにやって来ました。第一声で、『出て行って欲しいって。』と言われました。上記の理由を話され、本来はペット可のアパートはでは無いので、反論の余地がありません。私はPoohを抱きながら『この子といられるならどこでも良いや。』と答えました。
また引越し準備です。やっと生活パターンが整い始めた頃でしたが、一から出直しです。幸い、ガスも使えない場所ですが、姉の住居の3階が空いていたので、急遽一角を改装し、転居する事にしました。何日の猶予があったかは、よく覚えていません。電気だけは使えましたし、トイレはありましたし、お風呂は近くの実家で入る事が出来たのでなんとか生活は出来ました。綺麗なのは、改装した一室だけ。同フロアーの空き部分に部屋に入らない物を置き、冷蔵庫と調理台だけは、部屋のすぐそばに設置して生活を開始しました。私の食事は、主にはチン(電子レンジ料理)料理だけ。茹でたり煮たりは、実家で下拵えさせて貰って、持ち帰って仕上げてから食べていました。湯沸かし器無しの、トイレがすぐ側の流し場で食器洗い。そこで、アパートで暮らした時より長い時間をPoohと過ごしましたが、今考えると2人だけの生活としては、一番楽しかった時だった様に思います。部屋は、ベッド・テーブル兼炬燵・テレビ・コンピューター・本棚・ケージで一杯でした。必然的に、Poohと私は最も近い距離で二人で過ごしていたのです。
Poohは物隠しが得意で、グリーニーズをあげると『アレ?もう食べちゃったのかな?』と思う事が度々でした。部屋を整えていると、隅っこから食べずに隠しておいたグリーニーズが見つかるんです。『好きじゃ無いのかな?』『おもちゃと間違えているのかなぁ?』なんて思いながら、時々あげていました。見つけられると『僕のだ!』と言わんばかりに私に飛び付き、渡すとまた隠しに行くんです。狭い部屋でのそんな遊びが実に楽しかった。