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義煎 啓太君のプロフィールと作品の紹介
鉄道好きの啓太君のお顔と私一番のお気に入りの啓太君の字『夢』
先に準備ができた義煎 啓太君から紹介させて頂きます。
啓太くんは、2002年2月27日出生、現在21歳の青年です。啓太君は、彩ちゃんよりほんのちょっと遅く生まれた彩ちゃんとは同級生です。私と彼とは、彩ちゃんと同じく、私が働いていた栃木の病院で出会いました。啓太君も、出生は別の病院でした。産後、お母様が大量の出血で状態が悪く、産科に緊急で転院になりました。転送元の産院では、出生した赤ちゃんも元気がなく、哺乳が進まないので、一緒に診てもらえないかとの依頼で入院となりました。事前情報にはなかったのですが、到着してお顔を拝見して直ぐにDown症である事が判りました。入院処置で撮った1枚のレントゲン写真を見て小児外科の先生が『直ぐに胃ゾンデを入れてもう1枚写真を撮って下さい。』と私に依頼されました。直ぐに行い、食道閉鎖を合併している事が判明しました。大きな手術になるので、外科の先生は大学病院への再度の搬送を選択肢としてあげられたのですが、お母様も状態が悪く、もしもの事があった場合、我が子にも会えない状況になってはと思い、Echoで大きな心臓疾患の合併がない事を確認の上、当院で外科手術をして頂く事にしました。
前病院で赤ちゃんの説明を詳しく受けていないご両親に、手術に向かう前にお話をしなくてはなりません。状態が悪いお母様にも同席して頂き、Down症の可能性が高い事、児には合併症として食道閉鎖があり、緊急手術が必要な事等お話し、承諾を得て手術室が開始されました。手術は成功しました。数日後からMilkが開始され、哺乳が問題なく出来る事を確認の上無事退院の運びとなりました。
成長と共に食道も伸びなくてはいけないのですが、食道閉鎖の術後では接続をした部分は健常な部分に比べ伸びが悪いのがその後の問題になります。長さも太さにも問題が生じやすく、誤嚥性肺炎・嚥下困難等、啓太君も成長過程で苦しみました。狭窄症状の改善の為、拡張術を行った時は、破裂してしまい縦郭炎から敗血症を来たし、死の境も迷いました。でも、啓太君は神に守られ生き残った!神様に守られている子だと私は思います。
お母様は、帳面に書く字が少しでも綺麗になる様に10歳から書道を習わせようと決めました。ところが、訪ねた書道教室の先生は、啓太君の書く字を見て『この子の字は、このまま生かして行きましょう。』とおっしゃったそうです。先生のお手本を見ながら、普通は先生の字に少しでも近い字を書こうとするのですが、そのお手本は書く字を指定するだけで啓太君独自の字を書きます。その個性的な字で、学生書道展で11歳から毎年の様に入選しました。私も3回書道展で作品を見させて頂きましたが、啓太君の字は人がその字を伝える為に動いているように見えるのです。例えば、歩くという字を書けば、見る人はそこで人が歩いている姿を連想出来るのです。啓太君の書く『夢』という字が私は凄く好きですが、真ん中の漢数字の四の部分が、真直ぐと夢に向かって突き進む人の眼差しを感じる顔に見えると私は思いました。先生のお手本の字を見た瞬間の啓太君のその字に対する思いがイメージとして書かれた字に表れているのだと思います。写真の文字を見て皆様はどのように感じますか?
啓太君は、大の鉄道好きです。多分、依頼があって、電車で行ける所なら啓太君は行き方を調べて喜んで目的地に向かってくれると思います。啓太君の作品を『この展示場に飾ってみたい。』『この駅構内の壁に飾ってみたい。』と思われる方はどうぞお声をお掛け下さい。私が架け橋になって啓太君にお願いしてみます。啓太君がお仕事で日程が合わない時には、可能な限り私が出向きます。学校の廊下や市役所の待ち合い、駅構内など展示に多額の費用が掛からないと助かります。もし、展示して頂けるのであれば、経費のサポートをさせて頂きたいと思っています。見ているだけで元気が出て来て、エネルギーが貯えられそうな啓太君の作品を是非一度見て頂きたいです。