育児支援・ひとり親支援・動物愛護活動支援など、元小児科医の経歴を活かし様々なボランティア活動を行います。お気軽にご相談ください。

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沙織織をする女性の紹介

私が訪れた日に彼女は取り組んでいた作品を完成させました。

   長い間この部分のページを更新させずに来てしまいました。一度しか尋ねた事のないみのるの郷なのですが、私の為に長い時間をお付き合い頂き、全ての場所を案内して頂きました。書道作品の飾られた明るい長い廊下の後は、それぞれの作業場を見学させて頂きました。

 先ずは、手工芸の作業部屋を見学させて頂きました。私の友人の一人である彩ちゃんが沙織織で沢山の作品をお母様と共同で仕上げていらっしゃるので、特に沙織織に取り組んでいる方々に関心がありました。男性の方も女性の方もいらっしゃいました。指導員の先生の元、それぞれの方が自分の個性を活かした作品づくりに取り組んでいらっしゃいました。男性の方は、見学者が入って来ても手を止めずにひたすら織っていました。言葉も交わす事が出来ないくらいの集中力でした。その時は、白・グレー・黒のモノトーンな作品を作っていらしたと記憶しています。手前の女性は、背も私の様に小さくて、とても細い『まだ中学生?』と思ってしまう位可愛らしい女性でした。少し濃い目のスカイブルーの単色の沙織織を作っていらっしゃいました。出来上がった部分はもうかなり長く、指導されている先生は『もうすぐ完成なんだよね。』と女性に声を掛けながら私に色々説明して下さいました。

 施設長の松原 様のお話では、幼い頃から小さい体型のお子様だったという事でした。そんな彼女を気遣ってお母様は、彼女が行きたくないと言う日には、背中を押して出すと言うよりは、無理に施設を訪ねさせる事はなさらないとの事で、作品を仕上げるのにかなりの日数を要しているとの事でした。私は、『私がいる間に仕上がったら良いなぁ。彼女の仕上がった時のお顔を拝見したいなぁ』と思っていました。

 売店で完成した作品を見て全ての見学を終えて、松原様のお勧めで売店に腰掛けコーヒーを飲みながら訪ねた時の印象や質問などをさせて頂いていた時、彼女が出来上がった沙織織を持って売店にやって来ました。作った沙織織を何に加工して頂くか、完成品を見て決める為でした。彼女は、色々な作品の中から小さめの小物入れを選びました。松原様は彼女に、『写真を撮ろう!』と声を掛けました。長い沙織織を体に羽衣の様に纏わせ、多分右腕だったと思うのですが、沙織織の端を持ち上げてポーズを取り、写真を撮りました。嬉しそうにポーズする彼女の笑顔はとても素敵でした。

 作品を一つ仕上げるのは大変です。時々お休みしてしまう事のある彼女にとっては、“仕上げる”という目標のハードルは高かったのではないかと思います。完成といわれるメートル数まで気が遠くなる様な前が見えない様な思いだったのではないでしょうか?でも、周りの方々の支えもあって彼女は見事に完成させました。その喜びも一入だったのではないかと思います。作る過程にも根気や努力が必要です。それを持ち続ける事も大変です。だから、それが完成にまで至った時の達成感は何にも勝るものなのではないでしょうか?それが次なる製作のチャレンジへのモチベーションになります。彼女にとって、今回の作品の完成が意味のあるものであったらと思います。

 私は、見学した日に彼女の完成を見る事が出来てラッキーでした。私も嬉しかった。それが、彼女のこれからも『頑張ってやってみよう!』という思いに繋がり、今もゆっくりでも頑張っていてくれていたらなぁ・・・と思っています。また施設を訪ねる事があったら、その時の彼女には絶対お会いしたいです。

沙織織の作品を作った女性に因んで

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